「好きなもの」と一緒なら、もっとがんばれる!
〇君は「おしりたんてい」が大好き。支援学級に通う小学校低学年の男の子です。「たんてい」のぬいぐるみと一緒にレッスンにきます。〇君が、ピアノを楽譜通りに弾く学習の導入として、「ド」は、どんぐりの絵 「レ」はレモンの絵のカードを使ってみました。
〇君、本当に一生懸命やろうとしたのです。子どもを見ていて感じるのは、どの子も成長したい、今より、より成長したいという、心からの欲求を持っているという事です。〇君も、いつも精いっぱいがんばっています。でも初めての挑戦すること、だれだって最初からはうまくいきませんよね。楽譜立てにカードを並べ、その順番にどんぐりのカードならドを親指でひく。次にレモンのカードが並んでいたらレの音を人差し指で弾く。
この作業には沢山の能力が協力し合って働く必要があります。まずはカードを左から順番に一つづつ読み取る能力、そして目で見たその情報を適切な指に伝える能力、そして指を動かしその音の鍵盤を押さえる能力、耳で聞き良い音が出ているかを感じ取る能力、弾いた指を次の音を出す前に鍵盤から離して音を止める能力、これらの力が脳の中で交通整理されながら、協力し合ってなしえる技なのです。
最初うまくいかなかった〇君、イラついて悲しくなってしまいました。「やだ、やらない。」でも、子どもは本当はできるようになりたいって思っているんです。
そこで登場したのが「おしりたんてい」のカード。赤いカードが「ド」 黄色いカードが「レ」。大好きな「たんてい」と一緒なら、もっとがんばれる。ついに、ピンクの「ミ」まで出来るようになったのでした。
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